発達障害児の親のレスパイト(息抜き)はどのように?
ママ・パパへのアドバイス

2018.05.17 KUMIKO 育児・健康

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「わが子はかわいい」という、いつの時代も変わらぬ親の思いの一方で、精神的・肉体的な負担を強いるのが子育て。夜泣き、ぐずりなど、親の思いどおりにならないことや、転倒や転落、誤飲などで、子どもが小さいうちはママやパパは気が休まりませんよね。

ましてや、障害を持つ子どもの親たちの気持ちはどれほどでしょうか。

「レスパイト」とは?

子育て中の親たちの休息や息抜きを、専門的には「レスパイト」といいます。レスパイトは、単に子供が寝ているときに親も休むというような偶発的なものではなく、計画的に子供を誰かに託し、その間に親がリフレッシュすることを指します。

子供を保育園や幼稚園に通わせることもレスパイトのひとつです。その他、実家の親に預けるとか、ベビーシッターを雇うなどの方法もあります。

日本人には驚きのアメリカ人の「レスパイト」方法

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さて、以前お伝えした「発達障害児の治療・療育に対する親の思い 日米の違いについて」において、発達障害児への治療や療育に関して、日米の親たちに考え方の相違があることを取り上げました。両国間の違いがさらに際立つのが、「レスパイト」です。

概して合理主義的で、利用できるものは、肯定的にとらえ利用しようとするアメリカ。

レスパイトの方法として、ボランティア、ボーイ/ガールスカウト、レクリエーションサークル、地域のクラブ等があげられます。ソーシャルワーカーやケースワーカーなどと相談のうえ、障害児を受け入れてくれる活動組織をできる限り活用して、親はレスパイトすることを考えます。

さらにアメリカでは(そもそも制度の違いが根本にありますが)、ベビーシッターを高校生のボランティアに頼んだり、時には数週間単位でグループホームや里親に子供を預けたりするなど、日本人からすると驚くほど自然に、当たり前のこととして、レスパイトを試みています。その姿は、少々大胆に思えるほどです。

なぜ、日本人の親は、アメリカ人ほど一般的なこととして、レスパイトしないのでしょうか。
それは、「わが子は自分の手で育てるべき」とか、「他人に預けて何かあったら、後悔してもしきれない」という思いが、ママやパパのみならず社会全体においても、強すぎるからかもしれません。

「レスパイト」は親のためと同時に子供のためでもある

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もちろん「レスパイト」の一番の目的は、親たちが心身を休めることにあります。でもそれが、結果的に子供のためにもなるということを忘れてはなりません。子育て中の親にとって何より避けたいのは「追い詰められてしまう」こと。追い詰められることによって、不幸にも親がうつ病になったり、虐待やネグレクト(育児放棄)につながったりする事例もなくはありません。

そういった最悪の事態を避けるためにも、親のレスパイトは必須です。今すぐアメリカ人のようにレスパイトするのは難しいにしても、「子供は社会で育てるもの」だという認識に立って、時に割り切って、自らの心身の平穏を優先的に考えてもいいのではないでしょうか。

【参考文献】

・  『ダウン症の子どもたち 発達障害児をめぐる涙と勝利の記録』(ヴァレンタイン・ドミトリエフ、誠信書房)

・  『あきらめないで! 自閉症 幼児編』(平岩幹男、講談社)

・  『数字と踊るエリ 娘の自閉症をこえて』(矢幡洋、講談社)