産後の母体ケア
「張った!」「痛い!」時のおっぱいケア

2018.04.29 望月 ライチ 妊娠・出産 育児・健康

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赤ちゃん誕生と共に始まる母乳育児。最初はお母さんも赤ちゃんも慣れずに苦労することもありますが、赤ちゃんが上手に吸えるようになってくると、親子にとって大切なスキンシップとコミュニケーションの時間にもなりますね。

一方で、授乳を始めてから間もない頃には、母乳の通り道である乳管が十分に開いていなかったり、母乳の分泌量と赤ちゃんが吸える量や吸い方とのアンバランスが生じたりすることで、母乳が乳房にたまったままになって張ってしまうトラブルを起こすことがよくあります。

母乳がたまった状態で炎症を起こしてしまうと、乳房が強く張ってしこりになる、熱をもつといった症状に発展し、「急性うっ滞性乳腺炎」になることも。ほうっておくとさらに化膿してしまい、受診が必要になります。

乳房の張りや痛みを防ぐには、赤ちゃんにたくさん吸ってもらうことが一番ですが、張りによっておっぱいの表面が固くなっていると赤ちゃんが吸いつきづらい場合もあります。赤ちゃんが飲みにくそうな時には、吸わせる前に軽く「搾乳」をするといいので試してみましょう。

 

<搾乳の仕方>

(1)   手を洗って清潔にします。

(2)   乳頭から2cmほど外側に親指と人差し指をあてて、乳頭の真下に向かって親指の腹と人差し指の腹を合わせるような感覚で押す。母乳がピュッピュッと出るまで、少し位置を変えてやってみましょう。

(3)   同じ位置で10回ほど押したら、指を当てる位置を変えてもう一度。いろいろな方向から搾乳することで、乳管の詰まりをバランスよく解消します。

 

産後のおっぱいケアに悩むお母さんは多く、その証拠に、日本国内には「母乳育児相談」を掲げるおっぱいケア専門の施設や、病院の産科で「母乳外来」の窓口を設けるところもあります。

筆者自身がそういった施設で受けたアドバイスや周囲のお母さんが実践していた「おっぱいケア」の例を紹介します。「張った!」「痛い!」と困った時には試してみてください。熱や強い痛みが続く時は早めに受診しましょう。

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・赤ちゃんにいろいろな方向から吸ってもらう

抱き癖や飲ませ癖によって、「左のおっぱいの外側から」など決まった方向ばかりから飲ませていると、乳管が詰まる原因に。抱き方を変えて、左右バランスよくいろいろな方向から吸わせるようにしましょう。

・入浴などで体を温めて血行促進

「体を温めて血行を促進すると、おっぱいの出もよくなる」という実感があるお母さんは多いようです。体を温めるのに一番てっとり早いのはやはりお風呂。ぬるめの湯にゆっくり浸かって、湯船につかった状態でマッサージや搾乳をするとおっぱいの張りがやわらぎます。

・脂っこい食事を避ける

脂質や糖質が多く高カロリーな食品をとり過ぎるとおっぱいが詰まりやすくなると言われています。かつて日本では「母乳の出がよくなるようにお餅を食べなさい」と産後のお母さんにすすめる習慣がありました。栄養価が高い食事をすると、母乳の分泌がよくなるという理由からです。しかし、乳管が詰まった状態で母乳の分泌を増やしてしまうとかえって詰まりの原因になるという声も。食事の内容とおっぱいの状態の関係について時々考えてみるのも一つの方法です。

<参考文献>

『最新版 はじめての育児』(細谷亮太監修、学習研究社)

『最新 はじめての妊娠&出産』(北川道弘監修、主婦の友社)

『いちばんためになるはじめての妊娠・出産』(小川隆吉監修、成美堂出版)