親の影響って大きい?
子どもの「性格」と、好きから「熱中」を育もう!

2018.01.15 World-Mommy 編集部 しつけ・教育 ママ・パパ通信

子どもの心は、例えるなら白い紙のよう。私たちが考える以上に、知らず知らずのうちに親から影響を受けているものです。その子が持ち合わせている、やる気、自尊心、根気強さといった性格上の要素は、ママやパパがどのように子どもに接するかに、大きく影響されます。

子どもの生まれ持った性格を尊重したうえで、やる気や自尊心、根気強さを育むことは、そう難しいことではありません。子どもに過度のプレッシャーを掛けずに、自らの可能性を子ども自身に認識させるだけでいいのです。

子育てのうえで最も大切なことのひとつに、「自己発見を促す環境づくり」があげられます。その環境があれば、子どもたちは自らの力で成長していくものなのです。

2017年夏、KOKUYO Company Vietnam(コクヨ・ベトナム)主催のプロジェクト「Smart Study Method」に、ハノイの高校から10名の優秀な学生が集まりました。その中のひとり、タイン君の母ハンさんの子育てにまつわるストーリーは、日本のママ達にとっても非常に参考になるのではないでしょうか。

周囲から“Physics(物理学) boy”というニックネームで親しまれるタイン君は、ハノイにあるアムステルダム高等学校の11年生(日本では高校2年生)、全国から選抜された物理学チームのメンバーで、目下、物理学のコンテスト*の準備に奮闘中です。

* ベトナムの中学校および高等高校では、物理や数学などの科目で優秀な成績を収めている学生が選抜され、学校の代表として市や省(日本でいう都道府県)主催のコンテスト・コンクールに参加します。そこで賞を取った学生達が更に選抜され、その市や省の代表として全国コンテスト・コンクールに参加していきます。

2018年、新春のある日、KOKUYO Company Vietnam のキャンパス・チームは、タイン君の家を訪ね、物理学に“熱中して”取り組むタイン君が育った環境と、わが子を物理学に秀でた子に育て上げた、母ハンさんの「子育て」について、お話を伺いました。

せわしなく手で何かを…
このままでいいの?悪いの?

無意識のうちに、手をせわしなく動かし「何」かをしているのは、2歳の頃からのタイン君の習慣です。いつも何かを手に持っては他の子があまりしないこと、例えば、空のペットボトルを手に持ってテーブルの表面に叩きつけては楽しんでいました。ハンさんには、その様子が「単なるいたずら」には思えませんでした。そこで、叱ったりせずに、彼の様子に気を配りながら、その行動を見守りました。

成長した彼は、ペットボトルの代わりにトランプを手にし、人と話しているときも、何かを考えているときも、巧みにトランプを操り、やはり手を動かし続けています。どうやら、彼が絶えず手を動かし続けることは、彼の脳を刺激し、想像力を高め、頭の中で考えたことを映像化することに繋がる、非常に意味のある行動のようです。それは、日常生活における物理現象に対する彼の情熱的な関心を深めることに通じています。

このエピソードから、大人の目には乱暴なこと、いたずらとしか映らないことも、その子特有のとても大切な成長の一過程であることがわかります。

ハンさんの経験から、「ママの心配し過ぎは良くない」と言えるでしょう。子どもは手を動かせば動かすほど、脳が刺激され知性が育まれます。ママは子どもの様子を注意深く見守りながら、一見、奇妙とも思える子どもの行動の本質を見極め、子どもの隠れた能力を引き出せるよう、サポートできると良いですね。

テレビゲームをすることの善し悪しは?

簡単に依存症になってしまう懸念から、多くの母親は、子どもがテレビゲームをし過ぎるのは良くないと考えています。そこで、子どもに口うるさく言ったり、ゲームをすること自体を禁止したりします。

ハンさんはこの問題に上手く対処しました。他の母親たちとは違って、子どもがパソコン、携帯電話やスマホを使うことを禁止するのではなく、規則を決めることでタイン君の行動をコントロールするようにしたのです。例えば、宿題など課題を終えたり、復習を終えたり、お手伝いをした後に、携帯電話以外でテレビゲームをしていいことにしました。そうすることで、タイン君のテレビゲームとの関り方は規律のあるものとなりました。

彼女はなぜ、テレビゲームを全面的に禁止しなかったのでしょう?それは、彼女は息子のことを信用していることに加えて、「テレビゲームは子どもにとって悪いことばかりではない」という点にも共感したからです。学校で多くのことを学んできた子どもたちにとって、テレビゲームは、放課後に楽しみながらストレスを和らげることが出来る、ツールのひとつと捉えたのです。

読書に興味を持たせるには?

子どもに読書習慣を身に付けさせるには、時間が掛かるうえ、親も忍耐強く取り組まなければならないので、容易なことではありません。ハンさんがタイン君2歳の時から発展させた、ママにも子どもにも嬉しい「読書習慣」は、そんなママたちにとって参考になるでしょう。

ハンさんは、タイン君の関心のありそうな本を選び、実際に彼に読み聞かせた後、彼の興味に更に適した種類の本を選び、時間を共に過ごしました。また、ママが一方的に読み聞かせるだけでなく、タイン君にも積極的に参加してもらうようにしました。

その中で、タイン君が文字を認識し覚えていくよう最後まで本を読み通すようにしたところ、彼の創造性と想像力が育くまれ、毎日、本を読むことに慣れ、習慣化していきました。そして、早くも4歳で文字を理解し、自分で本を読めるようになったのです。この「早期読書習慣」は、同年代の他の子どもに比べてピアノをよく練習するといった、タイン君の様々なことに対する理解力の高さに繋がりました。

タイン君の例でみてきたように、読み聞かせは、その子が持って生まれた能力を探り、それを育むうえでの手助けとなります。ですから、子どもにどんな本を読み聞かせればいいのか、本選びはママにとって最大の関心事のひとつです。

ハンさんの場合、最初に『1001 reasons why it’s great to be Catholic!』を選んだことが、タイン君の好奇心に火を点けました。当初は、生命や生きることへの理解を深めてほしいと考えてのことだったのですが、程なく、タイン君が星や銀河系宇宙について想像することをこよなく愛し、どんな種類の本より天文学の本に関心を持っていることに気付きました。そして、彼は宇宙での不思議や星座への関心を深めていったのです。

ハンさんは、「物事を理解し、観察すること」が、子どもの欲求を刺激するうえで大切であることに気付きました。ですから、彼女は天文学に関する本を探し当て、また、息子のために高額な双眼鏡を購入しました。その双眼鏡で、タイン君とハンさんは、幾度となく一緒にテラスから星を観察し、その時間が天文学への関心を更に深めることに繋がりました。自由に想像力を働かせ銀河系宇宙の現象について思いを巡らせることが、彼の好奇心を大いに刺激したのです。

子どもの性格形成。ママが与える影響とは?

内気で寡黙な男の子というのが、誰もが抱く彼への第一印象です。彼は人の役に立つことが好きです。自分では言わずとも、クラスメートはそう評価しています。スケジュールが埋まってどんなに忙しくても、彼は友人の宿題を手伝います。たとえ真夜中であっても、彼は遅くまで起きて、友人たちが問題を解く手助けをします。

この性格は、母親譲りです。ハンさんも内気ですが心の温かい人です。彼女にとって、子育ての中心テーマは、優しさと愛情深さです。彼女は、おとぎ話や歴史物語を読み聞かせる代わりに、思いやりや共感、道徳について書かれた本をタイン君に読み聞かせることで、そのことを教えていきました。彼女は、健全な「心」を育てたい、家族や他の人たちに対して、正しい行いが出来るに人になってほしいと考えています。

いかがでしたでしょうか。

ハンさんは、人生のあらゆる面で子どもに伴走し、子どもの情熱的な関心を引き出すだけでなく、子どもが自分の可能性を最大限に引き出す手助けをしたと言えるでしょう。ハンさんの教育方法を探ってきましたが、子供の性格を育み形成するうえで、母親の影響は大きいといえるのではないでしょうか。

子ども達と一緒に、多くの時間を過ごしましょう。その中で、子どもたちの能力や可能性に気付き、それを引き出し育むことができると良いですね。

 

KOKUYO

1905年に日本で設立されたKOKUYOは、100年にわたり、ベトナムを含む世界の30以上の支店を中心に、文具や事務用家具分野をリードしてきています。

コクヨ・ベトナムは、2005年にベトナムに拠点を置いて以来、「製品とサービスを通じて世界を豊かにする」という声明を掲げ、お客様に価値と快適さを提供する製品の創造を目指しています。

Writer

KOKUYO製品にかねてから強い関心を持ち入社した、活動的で野心家のベトナム人マーケティング担当者2名が本記事を担当。KOKYOキャンパス・チームは、ベトナムでのKOKUYOキャンパスブランドの発展に努めています。