知って上手に向き合いたい!
妊娠に伴う心理的変化

2017.12.20 Keiko 妊娠・出産

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これまで、妊娠の兆候、確認の方法とお伝えしてきましたが、今回から2回にわたり、妊娠による身体的変化に伴う「心理的変化とその向き合い方」と、この時期にオススメの「YOGA~気持ちが穏やかになる呼吸法~」についてお伝えします。

妊娠の初めの一歩、妊娠兆候について

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妊娠の確認、診断について

妊娠が成立したことにより、表面的にはなんら変わらない感覚でいる妊娠初期においても、ご自身の体の中では赤ちゃんの成長のための準備が始まっています。

出産を迎えるまでの間にご自身が体験していく変化についてあらかじめ知ることで、過度な不安に陥ることなく日々を心地よく過ごすことが出来るでしょう。1つ1つの出来事を受け止めながら、妊娠期をぜひプラスの経験としていってくださいね。

非妊娠時とは異なる2つの心理的特徴

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妊娠に限らず、新しい経験やチャレンジは、喜びや親愛などのポジティブな感情と同時に、不安や恐怖心といったネガティブな感情が混在して、私たちの心理的状況を揺さぶります。

特に、妊娠期には次の2つの心理的特徴が見られます。

(1)「ポジティブな感情とネガティブな感情が量的、質的に変化し、状況によりポジティブな感情が強くなったり、ネガティブな感情が強くなったりといった2種類の感情の交わり合う現象が起こる」

引用:「母性の精神衛生」 松村功雄 東出版 p19

特に妊娠前半期(19週まで)では、妊娠の確定による戸惑いや不安に加え、「つわり」といった身体的な症状が出てくることも多く、ネガティブな感情に支配されやすくなります。そして、胎動を自覚する妊娠中期(16~27週)には喜びといったポジティブな感情を、出産が近くなる妊娠後期(20週以降)には不安や恐怖といった感情を抱きやすくなります。

⑵ 周囲からの刺激に敏感となり、過剰に反応し、情緒的に不安定な状態になりやすくなる

なんだかわからないけれどイライラしてしまったり、突然悲しみに襲われたり、何気ない家族や友人の一言にひどく傷ついてしまったりするケースや、反対にものすごく感動して涙してしまうようなこともあると言われています。これらは個人の性格的特性や社会的な要因にも左右されますが、ホルモンの影響も指摘されています。

 

初めての妊娠ではなおさらですが、出産を経験されているお母さんでも、新しい命と向き合う責任を考えると、「健康に育つだろうか」「良い母親になれるだろうか」「職場やパートナーは協力してくれるだろうか」など不安になる気持ちと、新しい命を育むうえでの出来事にワクワクする気持ちとが、交じり合うことが想像されますよね。

妊婦さん自身だけでなく、共に過ごす家族、そして友人の立場であっても、妊婦さんのポジティブな感情とネガティブな感情の波に振り回されて疲れてしまうことがあるかもしれません。

妊娠期に起こりうる感情の波を、知る由もなく突然経験するよりも、これからどんな経験が待ち受けているかということを、一度は想像してみましょう。そのうえで、妊婦さんは自分自身の感情を受け入れ、また、家族や友人はそんな妊婦さんに寄りそうように関わることで、揺れ動く感情に大きく振り回されず穏やかに過ごすことができるでしょう。

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可能であれば、妊婦さんの心理的特徴について家族や友人と共有しておくと、お互いを受け入れやすい環境を作ることが出来るのでおすすめします。

感情的になる人を前にすると、つい同じ感情に飲み込まれてしまったり、論理的に問い詰めてしまったりしがちですが、妊婦さんの抱える不安定な心理を想像し、否定したり責めることなく共感し、出産までの貴重な時期を、様々な感情を共有しながら支え合い、成長できるといいですね。

次回は、感情の動きを受け止めながら、穏やかな気持ちになれるYOGAの呼吸法についてお伝えします。

【参考文献】

「系統看護学講座 母性看護学続編」医学書院