海外滞在中の妊娠!さぁ、どうしよう?
NYでの出産経験から

2017.11.16 吉本 寿子 世界のママ通信

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妊婦さんはホルモンバランスが乱れるため、心も体も不安定になりやすいもの。ましてや、海外在住中に妊娠が判明した場合は、国内にいるとき以上に決めなければならないことや、準備しなければならないことが増えて、不安感はさらに増すのではないでしょうか。

まず、考えなければならないのが、どちらの国で出産するかということです。日本人の私から見ると、日本とアメリカでは出産の環境や習慣が大きく異なります。

ちなみに、私は20年程前、アメリカのニューヨークとニュージャージーで二人の子供を妊娠し出産しました。その時の経験も踏まえ、海外で出産する際の注意点などをご紹介します。

海外で出産する際に気をつけたい3つのこと

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日本でもよく知られているのが、出産後のケアです。日本では出産後1週間ほど入院し、母体が健康な状態になるのを待ってから、赤ちゃんと一緒に退院するというのが一般的ですが、アメリカでは通常出産後1泊2日で退院となります。これには、医療費や社会保険の問題などもかかわっているのですが、緊張と疲労が残ったまま退院するのは結構大変です。

そこで、もしも海外で出産することになった場合の注意点を、

1.言葉のケアをしておきましょう

日本人が海外で出産する場合、やはり大きな壁となるのが言葉。日常会話は話せるようになっても、出産での微妙なニュアンスなどをうまく伝えきれない可能性も出てきます。海外で出産する場合には、日本語の話せるドクターや、ボランティアで日本語通訳の方が在中している病院を選ぶようにすると安心でしょう。

2.自分でサポート環境をつくる

初産の場合は特に、妊娠期から様々な体の変化に戸惑うことが増えるでしょう。また、出産後も赤ちゃんの成長には予期せぬことが起こることも。妊娠期はもちろんのこと、出産後も不安やストレスを感じることがあるかも知れません。それを自分ひとりで抱えるのはあまりに大変です。

海外で出産をする場合は、可能であれば、お母様やご親せきに早い段階での入国をお願いし、出産に備えるようにしましょう。

また、海外には日本のようなママ友文化がありません。そのため、赤ちゃんの様態など、困ったときに気軽に相談できるよう、妊娠時から近所の方々と積極的にコミュニケーションをとっておきましょう。

3.気をつけて! 「出生届」だけでは日本国籍を喪失する可能性が…

海外で出産した際に気をつけなければならないのが届けです。日本国憲法では、外国で生まれた日本人の子は生まれると同時に日本国籍を取得します(国籍法第2条)。ただし、外国で生まれた子が、出生によって日本国籍と同時に外国の国籍も取得したときは、出生後3ヶ月以内に「出生届」と共に「日本国籍を留保する意志」(国籍留保の届け出)をしなければならず、この期限を過ぎてしまうと、日本国籍を失うこととされています(国籍法第12条、戸籍法第104条)。外国で生まれた場合には、日本国籍と同時に外国籍を取得する可能性がありますから、この点には注意が必要です。これは、日本では二重国籍が認められていない法令によるもの。出産後は「出生届」だけでなく、「国籍留保の届け出」も提出することを忘れないでください。

どこで出産する?選択については、よく話し合いましょう!

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私が子供たちを出産した時は、日本がバブル期で、アメリカにも日本人駐在者が多かったこともあり、現地での出産を選択する妊婦さんも数多くいました。一方、出産時の大きな問題やその後の教育に馴染めなかったり、お子様達の問題だったりで、日本での出産・子育てを選択した方が良かったと感じた新米ママ達もいました。

妊娠→出産→産後というのは、周りのサポート体制なども重要な課題になります。海外での出産を考える場合は、上記のポイントをぜひ参考にしてください。

海外滞在中の出産であっても、穏やかな気持ちで赤ちゃんを出産し、育てられたらいいですね。

〈参考文献〉

法務省 国籍Q&A http://www.moj.go.jp/MINJI/minji78.html