お腹にいる赤ちゃんの「胎教」
何をしたら効果的?

2017.09.15 望月 ライチ 妊娠・出産

Photo by Shutterstock.com

妊娠初期のつわりが落ち着き、少しずつ胎動が感じられるようになってくると、だんだんと赤ちゃんの存在を実感できる時間が増えていきますね。赤ちゃんが生まれる前から始める「胎教」に興味があるという人もいると思います。

かつて「胎教」というと、お腹の中にいる赤ちゃんに聴かせるようにクラシック音楽を流したり、情操教育によいとされる言葉がけを積極的にしたりといった早期教育的な意味合いで語られることが多いものでした。
最近では、赤ちゃんに直接語りかける教育としての意味よりも、赤ちゃんが育つ環境=母体がストレスなく妊娠期を過ごすための習慣としてとらえられることが多くなってきているようです。

Photo by Shutterstock.com

例えば、母体が好きな音楽を聴いてリラックスすることができれば、心身の状態も落ち着いて、呼吸も自然とゆっくりと深まり、筋肉が緊張しにくい状態となって、体の隅々まで酸素が行き届くようになるでしょう。すると、胎盤を通じて、赤ちゃんにも酸素がたっぷりと届けられるようになって、結果として赤ちゃんの健やかな発育を促すだろうという考え方です。
早期教育としての胎教の効果についても引き続き研究は行わており、胎児のうちに生の声や演奏音楽を聴かせた場合と、録音した音源を聴かせた場合の生後の発育の違いについて追跡調査を行っている研究もあるようです。ただし、その明確な違いについてはまだわかっていないようです。

日本で近年発行されている育児書においても、「胎教」として勧められていることの多くは、「母親自身がリラックスできる環境を整えること」というアドバイスです。父親となるパートナーとよい関係を築き、赤ちゃん誕生の日を楽しみに待つ日々そのものが、何よりの胎教になると考えられています。

また、おなかの赤ちゃんに対する「やさしい声かけ」は効果的と言われています。はっきりとした、穏やかなやさしい声でゆっくりと、「早く会いたいね」「元気に育ってね」と赤ちゃんに対して話しかけることは、その言葉を発する母体の心も穏やかにしてくれるものではないでしょうか。

Photo by Shutterstock.com

筆者の体験では、妊娠中期以降、外出した際にきれいな花などを見かけた時には、お腹の中の赤ちゃんに伝えるように、花の色や香りなどをあえて口にするようにしていました。そういった習慣の効果が赤ちゃんの発育にどれほど影響があったのかは分かる術もありませんが、出産から5年以上経った今でも「妊娠期だけの特別な思い出」として楽しむことができ、「あなたがお腹の中にいるときに、こんなふうに話しかけていたよ」と子ども自身にも伝えてあげられることが、親子の関係をより豊かにしてくれるかもしれないとも感じています。

<参考文献>

  • 『最新 はじめての妊娠&出産』(北川道弘監修、主婦の友社)
  • 『いちばんためになるはじめての妊娠・出産』(小川隆吉監修、成美堂出版)
  • 科学研究費助成事業データベース