日本の子どもはなぜ礼儀正しい?
保育現場で教えているしつけとは

2017.08.12 望月 ライチ しつけ・教育

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世界から見た時の日本人の印象として「礼儀正しい」「公共心が高い」という表現はよく聞かれます。実際、日本では「図書館などパブリックスペースでは静かに過ごす」「電車やバスは並んで待ち、降りる人を待ってから乗車する」といった行動習慣が年代を問わず、ごく当たり前のこととして浸透しています。

「自分中心だけで考えない」思考や行動は震災などの非常事態時にも顕著に現れています。
2011年3月の東日本大震災の時には、地震の影響で交通が麻痺し、東京都内の駅は深夜まで混雑し、構内の階段を埋めるように座り込む人で溢れました。
しかし、そんな時にも「歩く人のためのスペースを空けて座る」ということを、誰が言うでもなくその場にいる人全員の共通認識として実行されました。そして、そのことが中国をはじめとする海外メディアによって驚きをもって報じられたことがありました。

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そういった公共心や礼儀を育てるのに一役買っているのは、やはり教育です。幼稚園や保育園の現場でも、日常の営みとして、小さな子どもに公共心や礼儀を教える指導がなされています。

筆者の子どもが通っている公立保育園での4つの取組みをご紹介します。とりわけ特別な施設ではなく、日本の幼児教育の場ではごく普通の取り組みです。

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廊下は走らない

園内の教室を出入りするために通る廊下は、衝突防止のために「走らない」のが原則。壁には幼児でもわかりやすいイラストなどで指示が書かれています。また、廊下には目立つ色で矢印の形にビニールテープが貼られていて、「左側歩行」が示されています。すれ違い側に向かいから来る人とぶつからない歩き方が自然と身につくようになっています。

汚い言葉を口にしない

他人を傷つけたり、侮辱したりする言葉を口にするのはいけないこと。これは子どもが言葉を覚え、周りとコミュニケーションを取り始めた頃から指導されます。子どもがいつでも確認しやすいよう、園内の壁には「言われてうれしいフワフワの言葉」「言われたら悲しいトゲトゲの言葉」が分けて例示されています。

人が話している時はきちんと聞く

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先生が前で話しているときや、友だちが意見を発表しているときなどに、ふざけたり、おしゃべりをしている子どもは怒られます。人の話を聞く時は、「相手の方を見て、体も正面を向ける(横を見たり、姿勢を乱したりしない)」ことを教わります。

大きな声を出さない

たとえ子どもでも、キャーキャーとどこでも構わず大きな声をあげることは、パブリックスペースでは「迷惑」になると日本では考えます。
とはいえ、小さな子どもは“声の大きさの調整”がまだできません。筆者の子どもが通っている保育園では、「ありさんの声」「ぞうさんの声」など、イラストで声の大きさを5段階に分けて表示されています。
先生は普段から子ども達に、小さな声は“1の声”~大きな声は“5の声”と、5段階の声の大きさを教えており、例えば、静かにする場面で大き過ぎる声を出してしまった子どもには、先生が「今は“2の声”の時間だよ」と指導しています。

いかがでしたでしょうか? 日本の幼児教育の実践は、家庭で応用できるヒントもたくさんありますね。ぜひ試してみてください。