低気圧が近づくと子どもが騒ぐ? ママは頭痛・肩こりが悪化?
天気が体に与える影響「生気象学」ってなあに?

2017.05.03 荒木 真理子 育児・健康

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みなさん、こんにちは。気象予報士の荒木真理子です。
日本では『春に3日の晴れなし』と言われるほど、天気が目まぐるしく移り変わる季節です。今回は、天気が知らず知らずのうちに体に与えている影響についてご紹介します。

みなさんは、雨が降る前に頭が痛くなったり、子どもが不機嫌になったりすると感じたことはありませんか。

決して迷信ではない! 気象病とは

『雨が降ると古傷が痛む』
日本には古くからこんなことわざがあります。
日本では馴染みがあまりありませんが、ドイツでは「気象病」の発生を天気予報で伝えることが一般化しています。
皆さんは「生気象学」という言葉をご存じでしょうか。これは、天気と体の関係は、決して迷信ではなく、確立した学問なのです。天候や気温、湿度、風などの気象現象が、体にどんな影響を与えるのかを研究する学問です。国際的な学会が開かれたのは1955年で、意外と歴史のある分野なのです。
身近な例としては、「季節病」として、花粉症、熱中症、インフルエンザがあります。これらは、季節によって流行の度合いが大きく変わる病気。
また、気温や気圧、湿度などの気象条件と深くかかわりがある病気を「気象病」といいます。関節痛や神経痛、ぜんそく、心筋梗塞や脳卒中などの血管の病気などが、それにあたります。

気圧が下がると痛みが出るワケ

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どうして雨が降ると古傷が痛んだり、頭痛・肩こりがひどくなったりするのでしょうか。
最近の研究では、「耳」の中にセンサーがあることがわかってきました。

雨が降るときは「低気圧」が近づいているとき。この気圧の変化を、耳の奥にある「内耳」がキャッチします。この内耳というのは、体のバランスをとる働きを担っています。
気圧が下がると、内耳が、体が傾いているような錯覚を起こし、それを脳に伝えます。でも実際には、体は傾いていないので、目からは「体はまっすくだ」と脳に伝わります。耳からの情報と目からの情報の食い違いで脳が混乱し、「ストレス」となって交感神経を興奮させます。この交感神経は痛みの神経とつながりがあるため、普段から弱っている部分に影響が出やすくなるのです。
子どもの気持ちを高ぶらせるのも、この交感神経が関係しているようです。

気象病を回避する方法は?

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天気による痛みは、内耳のバランスの錯覚が原因で起こるため、最近では「酔い止めの薬」が効果的であることがわかってきました。医師によると、痛みが出る前に飲むのが効果的とのことです。

一方、血管の病気は、寒暖差が体への負担となって発症するケースが多くなっています。
春は朝晩と昼間の気温差が大きい時期。外出の際は、子どもも大人も、服装でしっかり調節をしましょう。
また、朝はエアコンのついた乾燥した部屋で過ごし、昼に外出先で汗ばむと、どんどん体の中の水分が減って血行が悪くなり、血管の詰まりにつながりやすくなってしまいます。意識的に水分をとりたいものです。

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妊娠・出産を機に、ホルモンバランスが崩れ、頭痛・肩こりがひどくなったり、手術の跡が痛んだり、気象病に悩むママさんが多くいらっしゃいます。
天気予報で、発達した低気圧や台風が近づいてくると聞いたら、寒暖差が大きくなると知ったら、事前に対策をとりましょう。